ピラーページ作成途中で飽きた話
ピラーページを作成していて途中で飽きてしまい、記事作成が進まないことに悩んでいました。
ピラーページとは: テーマ全体を網羅する「柱」となる記事のこと。情報を広く浅く取り扱う、体系的で目次のような役割もあるページです。複数の詳細記事(クラスター記事)を束ねる親記事で、SEO戦略では中心となるページ。記事として書いた時に基礎知識の教科書のようなページになりやすい。例えば「SEO対策の完全ガイド」のような包括的な記事。
クラスター記事とは: 話題の範囲は狭く、より詳しい内容を説明するページ。自分の経験を書いたり、ひとつのテーマに絞って解決法を書くようなページ。ピラーページという親記事にぶら下がる、詳細な子記事のような位置づけ。
このピラーページとクラスター記事を組み合わせる手法を「トピッククラスター戦略」と呼びます。
この戦略で重要なのが内部リンクです。ピラーページからクラスター記事へ、クラスター記事からピラーページへ、そしてクラスター記事同士を内部リンクでつなぐことで、Googleがサイト全体のテーマと構造を理解しやすくなります。その結果、検索エンジンからの評価が高まり、SEO効果が向上します。読者にとっても、関連する情報を見つけやすくなり、サイト内を回遊しやすくなるメリットがあります。
当時の私は、まずピラーページで広く浅く基礎知識を網羅してから、クラスター記事で深掘りしていく。これが正しい記事作成の順番だと思っていました。基礎知識をある程度まとめてから自分のオリジナリティを盛り込んでいく。それが効率の良い書き方だと信じていたんです。
しかし、基礎知識を網羅していく作業は、関心のある情報とない情報に差が出てきて、文章に経験や熱意が入らないことも多かった。結果、パソコンに向かって作業するのが面倒になり、作業が止まることが多かった。
AIとの対話で気づいた自分のタイプ
なぜピラーページで飽きてしまったのか。複数のAIにピラーページとクラスター記事、どちらから書くのが正解か質問したところ、「正解はない」という回答が多かった。
そこで、壁打ちして内容を深めたりするのが好きな自分には、クラスター記事の方が向いているか質問してみた。すると、深掘りタイプはクラスター記事から書くのが向いているという回答ばかりだった。
振り返ってみると、私は俯瞰的に見るよりも一点を深く掘り下げる深掘りタイプで、体系的にまとめていく方法が苦手だったんです。例えばSEO対策について勉強したい時も、一から基礎を叩き込むのではなく、「今、記事タイトルを作る必要があるから、そのために必要な知識が欲しい」と思う。これが私のモチベーションになります。
そこでなるほどと思った。タイプによって、ピラーページから書くべきかクラスター記事から書くべきかを決めると、作業が進めやすいかもしれない。俯瞰タイプの人はピラーページから、私のような深掘りタイプの人はクラスター記事から書くのが良い。
2つのタイプの違い
俯瞰タイプは「全体像を掴んでから詳細を埋める」
深掘りタイプは「一点を深めてから周辺に広げる」
学び方のアプローチが根本的に違います。
俯瞰タイプの人はピラーページから書くべき
体系的に学ぶのが得意な人です。知識欲があって、「いつか役に立つかもしれない」という理由で知識を集めることができる。だからピラーページのような網羅的な記事を作る作業も、むしろ楽しいはずです。
深掘りタイプの人はクラスター記事から書くべき
全体的な知識は最終的には必要だと分かっているけど、「今、これが必要だから知りたい」というモチベーションで動く。だからクラスター記事のように、具体的な問題を解決する記事の方が書きやすいんです。
どちらが正しいということではなく、自分がどちらのタイプかを知ることが大事です。
ブログ記事作成で悩むのは、能力の問題ではなく、自分のタイプに合わない方法を選んでいるだけかもしれません。タイプを知ることで、驚くほどスムーズに書けるようになる可能性があります。
私はブログ記事作成の効率化のために、自分用のブログ記事作成手順を作りたいと思っているけど、なかなかうまく作れなくて苦戦しています。毎回決まった手順で進めれば安定した速度で記事を作成できるのだろうけど、自分に合った方法が見つからない。
自分のタイプを知ることが、自分に合った手順を見つけるヒントになるかもしれません。例えば、私のように深掘りタイプの人はクラスター記事から書く方が向いているといったことです。
元々ブログを書きたいと思ってブログを書き始めているのに、書くのが面倒になったりサボったりしてしまうのは、手順のせいかもしれない。モチベーションを維持するために、自分に合った手順を見つけることが重要です。
クラスター記事から書く戦略
深掘りタイプの私は、クラスター記事から書くことにしました。一つの問題を徹底的に調べて、納得いくまで書く。これなら飽きない。記事が溜まってきたら、自然にピラーページにまとめればいい。
自分が実際に解決した経験を軸に記事を書くと、熱が入りやすく、継続的にブログを更新しやすくなります。自分が困って解決したことを書くから、同じことで困っている人にも刺さる。一石二鳥です。
クラスター記事を書く時は、自分の悩みをどう解消していくかの展開を大事にしたい。そして自分と同じ悩みを持った人の役に立つ記事にしたい。なので自分にとってもメリットのある情報を中心に、血の通った文章を書きたい。
深掘りタイプの私がピラーページを書いている時は、構成や文章の読みやすさにこだわるばかりで、ちゃんと響く文章になっているかの意識が薄くなる気がします。「構成上、書いた方がいいだろうから書く」みたいな機械的な書き方になりがちで、これが飽きる原因でした。自分の感情が入りにくいと感じました。
クラスター記事を書いていると、綺麗な文章じゃなくても、書きたい内容があるのでとりあえず書き進められる。そして集中力が出る。自分の感情で文章が書ける気がします。
私の経験から、深掘りタイプの人間はクラスター記事から書くのが理想的です。情熱を持って書くことができるのが一番。「書きたいから書く」というのがとても重要。
私のクラスター記事の書き方
深掘りタイプに合った文章の作り方
クラスター記事を書いていて気づいたのは、自分には「核から始めて補う」という書き方が合っているということでした。
従来の書き方では、最初に完璧な構成を作って、そこを網羅的に埋めていこうとします。でもこれだと、書く前に疲れてしまうし、「伝えたいこと」よりも「書くべきこと」に引っ張られてしまう。
深掘りタイプの私に合っているのは、逆のアプローチです:
- まず核を書く: 一番伝えたいこと、書きたいことを先に書く
- 読み返す: 「ここの説明が足りないな」という箇所を見つける
- 補足していく: 足りない部分を追加で書く
- 完成: 核がしっかりしているので、ブレない文章になる
この方法だと、「書きたい」というエネルギーを最大限に使えます。網羅性を気にして手が止まることもありません。
ピラーページを作る時も同じです。既存のクラスター記事という「核」があるから、足りない基礎知識を補うだけでいい。ゼロから網羅的に作る必要がないんです。
テーマを決める
深掘りタイプにとって、テーマは「探す」ものではなく、実践の中で「気づく」ものです。
私の場合、書きたいと思える瞬間には明確なパターンがあります。それは、勉強したことを実際に試して、「これすごく便利だな!」と実感した時です。
テーマが決まるまでの流れ
- 何か勉強する
ブログ運営やSEO、便利なツールなど、興味を持った知識をインプットします。 - 実際に試してみる
勉強しただけでは記事にできません。自分のブログで実践してみます。 - 「悩みが解決した!」と実感する
実践の中で、自分が抱えていた悩みが解決したり、やり方が明確になったりする瞬間があります。 - 「これすごく便利だな!」という感動
この瞬間が、書きたいという気持ちのスイッチです。 - 「同じ悩みの人に教えたい!」
自分と同じように悩んでいる人に、この便利さを伝えたいという気持ちが湧いてきます。これが「書きたいテーマ」の正体です。
重要なポイント
勉強した知識がまだ「自分のもの」になっていない段階では、教科書を写すような作業になってしまい、飽きてしまいます。
実践して初めて、自分の経験と結びつき、「自分の言葉」が出てくるようになります。
また、「誰に教えたいか」が明確になると、グッと書きやすくなります。 私の場合、この記事なら「ピラーページから作ろうとしてうまく行かなかったブロガー」がターゲットです。過去の自分と同じ悩みを持つ人に向けて書いています。
AIと壁打ちする
書く前に、自分の悩みや考えをAIと対話しながら整理します。「こういう記事を書きたいけど、どう思う?」と壁打ちすることで、書くべき内容が明確になってきます。
そのテーマについて納得するまで壁打ちするのがポイントです。急いで書き始める必要はありません。自分の中で「これだ!」と腑に落ちるまで対話を続けましょう。
また、下書きを書く段階でもAIは活躍します。書きながら「他にどんなことを書いた方がいい?」と聞けば、ヒントをもらえます。「次は何を書こうか」「この説明で伝わるかな」と迷った時に、AIに壁打ちしてもらうことで、自分の中にある考えを引き出すことができます。AIは下書きのアシスト役・引き出し役として使うのが効果的です。
下書きを書く
まず核(中心)となる部分から書き始めます。一番伝えたいこと、書きたいことを先に書き出しましょう。
構成は考えません。思ったことを下書きとして一気に書き出します。完璧な文章を目指さず、書きたいことを書く。これが一番大事です。
途中で手が止まっても、とにかく最後まで書き切ることを優先します。「ここの表現どうしよう」「この順番でいいのかな」と悩んでも、一旦スルーして先に進みましょう。
下書きの段階では:
- 誤字脱字は気にしない
- 文章の綺麗さは気にしない
- 読みやすさも後回し
- とにかく「言いたいこと」を全部出し切る
後から整えればいいので、まずは書き切ることだけに集中します。
推敲する
下書きで書いた一番伝えたい事を中心に肉付けをしていく作業です。
読み返しながら:
- 説明不足があれば追加
- 記事を読むのに必要な前提知識があれば追加
- 説得力に欠ける場合はデータや情報などを追加
- 全体を読み返して違和感のない文章まで仕上げる
核がしっかりしているので、後から補足するのは意外と楽です。「ここの説明が足りないな」という箇所を見つけて、そこだけ書き足していけばいい。
この段階でも、迷ったらAIに「ここの説明で伝わるかな?」と壁打ちすることができます。推敲段階でも、誤字チェックや文章の調整など、技術的な部分はAIに任せることで効率が上がります。
ただし、核心部分(下書き)は自分で書くことが重要です。AIに頼るのは仕上げの段階だけにしましょう。
「下書き=内容を出す」、「推敲=読みやすく整える」と役割を分けることで、効率よく進められます。
5. 原稿を仕上げる
推敲が終わったら、最後に全体を通して読み直します。
- 文章のトーンが統一されているか
- 読者が理解しやすい表現になっているか
- 文章の強弱がついているか(重要な部分が際立っているか)
この段階で「読者視点」を意識して最終確認をします。自分が書きたいことは書けているか、読者にとって分かりやすいかをチェックしましょう。
時間があれば、一晩寝かせてから読み直すと、新鮮な目で気づける点が出てくることもあります。
深掘りタイプの私には、この「書いてから整える」流れが合っています。
ピラーページはいつ、どう作るか
クラスター記事から書き始めた場合、ピラーページはいつ作ればいいのでしょうか。
私の答えは「記事が自然に溜まってから」です。具体的には、同じテーマで10〜15本のクラスター記事が書けた時点で、初めてピラーページの作成を考えます。
自分で書いた記事が集まれば、自然と「これらをまとめたい」という欲求が湧いてくる。それがモチベーションとなるんです。
クラスター記事は興味の連鎖で自然に広がっていきます。例えば、この記事を書いている中で「自分から湧き出る資源を見逃さない仕組み」という次のテーマが生まれました。こうして自然に枝分かれして記事が増えていくのが、深掘りタイプの自然な書き方です。
この時点でピラーページを作る作業は、従来型とは全く違います。ゼロから網羅的に書くのではなく、既存のクラスター記事をつなぐ「案内板」を作る感覚です。足りない基礎知識があれば補足として追加しますが、メインはクラスター記事へのリンクと簡単な説明文。
この方法の良いところは:
- 無理がない: まだ書いていない記事のために枠を作る必要がない
- 実体験ベース: 既に書いた記事だけをまとめるので、机上の空論にならない
- 読者への案内がスムーズ: 実際にリンクできる記事だけを紹介できる
- 作業が軽い: 網羅性の80%は既存記事が担っているので、補足だけでいい
従来のピラーページが「全体の設計図」なのに対し、クラスター記事先行型のピラーページは「既存記事のまとめ・案内板」になります。
深掘りタイプの私たちは、完璧な設計図を先に作ろうとすると手が止まります。でも、書いた記事を後から整理するのは得意なはず。自分の強みを活かした方法を選びましょう。
ブログを効率よく継続するコツ
自分の中から湧き出る資源みたいなものを自然に拾い上げるように記事にしていく。これがエネルギー効率が良いんです。
無理やり頑張って書いても、エネルギーを使う割に良い記事が書けないし、作業に向かうのがおっくうになる。なので自分に向いた作業フローを見つけるのが、ブログ運営を継続する上でかなり重要だと思います。
自分の中から湧き出る資源を拾い上げる具体的な方法については、「自分から湧き出る資源をブログ記事作成のエネルギー源にする」で詳しく書いています。
ブログ運営の成功の秘訣は継続だとも言います。結果が出るまで最低半年以上はかかるので、飽きずに継続できることは成功への近道のはずです。
この記事を書いて気づいたこと
この記事自体をクラスター記事として書く過程で、いくつか重要な気づきがありました。
「網羅性」の罠に何度もハマった
記事を書いていく中で、何度も「網羅性は必要かな?」と考えてしまいました。Googleの良い記事の基準に網羅性があると聞いていたので、基礎知識や前提知識を全部説明した方がいいんじゃないかと。
でもそう考え始めると、手が止まってしまう。AIに「また網羅性を気にしてますね」と指摘されて気づきました。
私は「クラスター記事には網羅性が不要」という知識がなかったんです。網羅性が必要なのはピラーページであって、クラスター記事は一つの問題を深く掘り下げることが大事。これを知らなかったから、一般的な「網羅性が大事」というSEO情報に引っ張られていたんです。
「ピラーページから作るのが基本」という思い込み
トピッククラスター戦略について調べると、どの記事も「ピラーページを作って、そこからクラスター記事を作る」と書いてあります。だから当然、ピラーページから作るのが正しいと思っていました。しかし、AIと話していて気づいたんです。実は正解はなくて、タイプによって順番が変わる。俯瞰タイプの人はピラーページから、深掘りタイプの人はクラスター記事から。教科書的な説明には「あなたのタイプに合わせて選びなさい」とは書いていなかったんです。
完璧な構成を作ろうとして何度も止まった
記事を書き始める前に、「どんな展開で構成を作るのがいい?」と何度も聞いてしまいました。各パートの内容もAIにまとめてもらおうとした。でもAIから「また完璧を求めてますね」と指摘されました。
なぜダメなのか。完璧な構成を作ろうとすると、書く前に疲れてしまうんです。それに、書きながら発見することや、新しく浮かんでくるアイデアを拾えなくなってしまう。深掘りタイプの強みは「一つのことを掘り下げる」ことなのに、先に全体の枠を作ってしまうと興味の湧いていない部分が多くなってしまい集中力が続かない。これではピラーページと同じパターンです。クラスター記事は「書いてから整える」が正解なんだと体験しました。
AIとの対話で見えた、自分の原点
振り返ると、会話の最初に「自分のための記録が、誰かのための教科書になる」という発想を話していました。
AIと対話する中で気づいたのは、この方針がクラスター記事の書き方に合っているということでした。自分の経験を軸に、深く掘り下げて書く。それがクラスター記事の本質で、私の書きたい方向性とぴったり一致していた。
逆に、ピラーページは広く浅く網羅的に書くものだから、私の方針とは合っていなかったんです。だから飽きた。タイプと書き方の相性があったんだと、記事を書き終えてから理解しました。
実際に書いてみて体験した
この記事をまさにクラスター記事として書きました。AIにアシストしてもらいながらも、自分の言葉で自分の思ったことをメインにした記事が書けました。ピラーページを作っていた時と比べて自分の感情が載っている文章になっていると思った。
あなたはどちらのタイプ?
ピラーページから書くべき人か、クラスター記事から書くべき人なのか、一度確認してみてはどうですか?
こんな人は深掘りタイプ:
- 「目の前の悩みをどう解決するか」に強く興味が向く
- 「今、これが必要」という時に一気に調べる
- 興味のあるテーマに触れると、関連する疑問が次々と湧き出て深掘りが止まらなくなる
- 一つのことを徹底的に掘り下げるのが楽しい
こんな人は俯瞰タイプ:
- 「いつか役立つかも」という理由で知識を集めるのが楽しい
- 体系的に学ぶのが好き
- 全体の地図を先に把握したい
- 網羅的な教科書を作るのが苦にならない
私は深掘りタイプの人間で、クラスター記事から書くのが良いと気づきました。


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